『 みんな うんち 』-生命賛歌の絵本
『みんな うんち』(五味太郎作 福音館書店)は、うんちをする動物たちの姿を通した生命賛歌の絵本です。
おおきい ぞうは おおきい うんち
ちいさい ねずみは ちいさい うんち
ひとこぶらくだは ひとこぶ うんち
ふたこぶらくだは ふたこぶ うんち
これは うそ!
聞き手の興味をひきだす仕掛けのある書きだしです。
ぞう、 ねずみ、 らくだの「獣」の後は、 「さかなも うんち/とりも うんち/むしも うんち」です。 鳥獣虫魚ですね。 これで動物の全部がそろいました。
この絵本の中には、 実に22回も 「うんち」 という言葉がでてきます。
「 いろんな どうぶつ いろんな うんち 」、 いろいろな 「 形 」、 いろいろな 「 色 」。 いろいろな 「 におい 」 とも言っています。
この際ですから、「 大きさ 」や 「 かたさ 」 も、 あげてみましょう。
いろんな 「 大きさ 」、 いろんな 「かたち」 です。
生きものたち ( 鳥獣虫魚 ) は、 それぞれ自分にあった多様な生活を営んでいます。 食べ物も違います。 棲むところも違います。
止まってうんちをする動物もいれば、 歩きながらする動物もいます。
「 うんちをしても しらんかお 」 を決めこんでいる動物もあれば、 「 あとしまつ 」 をするりっぱな (?) 動物もいます。
生活のしかたが違うのです。
草食動物と肉食動物、 地上動物と水中動物とでは、 きっと、 うんちの 「 かたち 」 「いろ 」 「 におい 」 が違っているに相違ありません。
この絵本のおもしろいところは、 うんちを通して、 生きものたちの異なる生活が見えてくるところです。
「 いきものはたべる ( 生きている ) から、 みんなうんちをする 」 のです。
この絵本のメッセージです。