ふるはしかずおの 絵本ブログ

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『とりかえっこ』-でんぐり返った世界

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 『とりかえっこ』(さとうわきこ作、二俣英五郎絵、ポプラ社)は、主人公のひよこが、さまざまな動物と出会い、鳴き声をつぎつぎととりかえていくおはなしです。

 あそびに いってくるよ びよ ぴよ ぴよ

 ねえ ねずみさん なきごえ とりかえっこ しようよ

     ぴよ       ちゅう

     ぴよびよ     ちゅうちゅう

 ねえ ぶたさん なきごえ とりかえっこ しようよ

     ちゅう      ぶう

     ちゅうちゅう   ぶうぶう

   ねえ  かえるさん なきごえ とりかえっこ しようよ

     ぶう       けろ

     ぶうぶう     けろけろ・・・・・・

 ねずみ、ぶた、かえるのところまで引用しましたが、この後の展開については予想がついたことと思います。かえるの鳴き声をもらったひよこは、次に誰と出会うのでしょうか。また、どのような結末が待っているのでしょうか。

 つぎつぎと動物たちの鳴き声を交換していくこのおはなしは、反復の型としていいますと、鎖のようにつながっていく絵本の典型です。

 いぬの声をもらったひよこが、ねこを追い払う場面は、意外性があって楽しめます。

 ところで、『とりかえっこ』のおもしろさがわかるには、動物とその鳴き声についての常識が必要です。 ひよこが、かめと声を取り替えて、「む」という場面がありますが、年少の子どもは、この「む」のおもしろさがわからないとある保育者が言っていました。ありそうなことです。

 この絵本は、ペープサート、パネルシアター、人形劇にも応用できるでしょう。