ふるはしかずおの 絵本ブログ

絵本をちょっと身近に。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ブログの移転のお知らせ

「ふるはしかずおの絵本ブログ」を、ご覧いただき、誠にありがとうございます。 今後は、下記のアドレスに、移転いたします。 さらに、見やすく、読みやすいブログに、つとめたいと考えますので、引き続き、ご覧いただければ幸いです。 古橋 和夫 ふるはしか…

『 みんな うんち 』-生命賛歌の絵本

『みんな うんち』(五味太郎作 福音館書店)は、うんちをする動物たちの姿を通した生命賛歌の絵本です。 おおきい ぞうは おおきい うんち ちいさい ねずみは ちいさい うんち ひとこぶらくだは ひとこぶ うんち ふたこぶらくだは ふたこぶ うんち これは …

スリルがうまれるわけ-人物と読者の関係

『マーシャとくま』(ラチョフ絵、ブラトフ再話、うちだりさこ訳、福音館書店)は、ハラハラ ドキドキの絵本です。 森の中で、道に迷ってしまったマーシャ。くまの家に迷いこんでしまいます。 くまは、ここでずっと暮らすようにと、マーシャをおどします。 ま…

世界に、あなた、ひとりだけだったら。

ファンタジーの絵本です。 『世界にパーレただひとり』(イェンス・シースゴール作、アンネ・ウンガーマン絵、山野辺五十鈴訳、偕成社)。 主人公のパーレが、朝、起きると、もう「まどには、お日さまが ぎらぎら かがやいて」います。しかし、誰もいません。…

「カエルは空を とんでいく」-さかさ唄の面白さ

サカナがはらっぱ さんぽして カエルは空を とんでいく ネズミがネコを つかまえて ネズミとりに いれちゃった いたずらギツネの きょうだいが マッチで海に 火をつけた 海はめらめら もえあがり あわててクジラが とびだした 「はやくはやく しょうぼうたい…

『くだもの』-語り手と聞き手の対話

平山和子さんの素敵な絵本、『くだもの』(福音館書店)です。 すいか さあ どうぞ もも さあ どうぞ ぶどう さあ どうぞ ・・・・・・ ばなな さあ どうぞ ばななのかわ むけるかな? じょうずに むけたね。 絵本を読みながら、果物を食べるまねをしている…

『きんのさかな』-見えないことが見える世界

ロシアの作家、プーシキンの民話的なおはなし、『きんのさかな』(ヴェー・コナシェビチ画、宮川やすえ訳、ほるぷ出版)です。 あるとき、貧しいじいさんは、きらきらひかる金のさかなを釣り上げます。 「おじいさん わたしを うみに はなしてください。おれ…

「おしっこ バイバーイ うんち バイバーイ」

子育てのなかで、オムツがとれるというのは、印象にのこる成長のひとこまです。 そのような年頃の子どもを題材にした『うんちがぽとん』(アロナ・フランケル文・絵、さくまゆみこ訳、アリス館)というおもしろい絵本があります。 主人公のまあくんは、2歳…

三びきのこぶた-リアルな人物像

『三びきのこぶた』の絵本は数多くありますが、瀬田貞二訳、山田三郎画の福音館書店の絵本は、イギリス民衆の生活の厳しい現実が反映しています。 三びきのこぶたが、家を出ることになったのは、こんなわけでした。 おかあさんぶたは びんぼうで、こどもたち…

『かにむかし』-クライマックスの文章

『かにむかし』(木下順二文、清水崑絵、岩波書店)の最後の場面は、息のながい文が続きます。読みかたりのむずかしい場面でしたので、きょうはここを書いてみます。 それまで はいのなかで きばっていおった ぱんぱんぐりは、もう がまんしきれんように な…