読んで、楽しい絵本です。
『おさるとぼうしうり』E・スロボドキーナ(福音館書店)は、私の好きな絵本のひとつです。
帽子売りが昼寝をすると、木の上にいたさるが帽子をみんなとってしまいました。帽子売りは、どのようにして帽子を取り返すのでしょうか。
読みかたりの楽しい作品です。
ぼうしがみんななくなってしまう場面は、こうです。
みぎをみても
ない。
ひだりをみても
ない。
うしろをみても
ない。
きのうしろをみても
ない。
ところが、きのうえをみあげると、これはまあ、どうでしょう!
えだというえだに、おさるがいました。 そして、おさるというおさるが、ぼうしをかぶって いました-ねずみいろのや、ちゃいろのや、そらいろのや、あかいのを。
「ない」のところは行を改めて書かれています。「みぎをみても」のあとに「間」を置いてみますと、次の「ない」という言葉が、聞き手の子どもの心をくすぐります。
ここは、子どもに言わせて見るのも面白いでしょう。
この絵本には、ユーモアの味があります。
読んでみますと、その魅力がよく分かる絵本です。