お風呂に、かばやくじらをどのように登場させるのか
お風呂の中に、この表紙にあるように、かばを登場させるにはどのようにしたらよいのでしょうか。くじらを登場させるには?
そのような難問に答えたのが、この絵本です。
言葉は抽象的なものですので、イメージをふらませるなかで、例えば「おむすびころりん」のように、おじいさんは、ねずみ穴に入ってしまいますが、不思議を感じさせません。
でも、絵は、形、色、大きさを描きます。
林明子さんの絵本は、かばやくじらを小さなお風呂のなかに登場させていますが、その工夫はどこにあるのでしょう。
お風呂の湯気でまわりがぼやけてます。
また、読者の視線を誘導する工夫もあります。
小さなものから、大きなものの登場という現実感のつみかさねもそうです。
そして、次の画面で何がでてくるかという読者の期待があります。
読者の期待を自然に導いています。
絵本の傑作のひとつです。